育児に奮闘24時 イクメンレオ

長男が産まれ、無知のまま育てていたら、二人目も授かり、身動きの取れなくなった妻に代わりすべてを任されたイクメンの育児記録。出産の準備から、産後のケアまで。しかも海外って

第一子産まれる 出産を立ち会う無知な夫

その日、なんと年末、大晦日。

すべてのイベントをキャンセルし、病院に向かうことになるのです。

 

 

その日の午前中、陣痛らしきものが始まったものの、定期的な痛みの間隔はなく、痛みだして妻が私を呼び、背中や腰をなでて治まるといったことを1時間おきくらいでしていました。

 

それが昼ぐらいになると2時間おきぐらいになり、なんだかこれは陣痛じゃないのかと二人で話していたくらいです。

 

そして、昼ごはんはスタミナをつけてあげようと、ハラミをガッツリ焼いて、ハラミ丼をプレゼント。もちろん拒否。

 

仕方なく一人で食べて、パネトーニというクリスマス用のパンをあげました。

 

 

現地の友人に今日はちょっと体調が悪いのでパーティはキャンセルしますと連絡をすると、それじゃもう病院に行こうということで、病院へ行きました。

 

陣痛がひどいわけでもなく、歩いて診察室へ。なんだか看護婦さんと医者がちょっと子宮をみてみるということになり、部屋の外で待っていると・・・

 

「あああああーーーー!!!!」

 

何事かと思う叫びを妻があげて部屋の外まで聞こえました。

さすがにこれは心配しました。と、数秒後ドアが開き、ベッドのままガラガラと病室を移動していきます。

私も後をついて行きました。

 

どうやらこの時、すでに子宮口が9センチほど広がっていたようで、恐らく先生がわざと破水させたようです。

不安げな妻を見て、こっちはいよいよかと心づもりをしました。

看護婦さんが旦那は立ち会うのかと聞かれ、立ち合いますといい、講習も受けたのかときかれ、受けてはいないけど、講習の受付をしてくれた先生がちょうどいて、この人受けたよと言ってくれました。無茶苦茶です。

 

狭い部屋に妻と先生とわたくし夫。なんだかまだ様子を見ているようで、特にこうしろとはいわず、妻も陣痛のようなものが続いているかんじでした。

 

少し時間がたつといよいよ出産に入るようで、妻は裸にさせられ、分娩用の服を着ました。さらに隣の部屋に移動。

ここでもまだ様子をうかがっているようで、お医者さんは力入れられるようならいれていいよといいました。

もうこの辺は初産だし、言葉もよくわからないし、もうどうしたらいいのかわからず。カメラも持っていたけど、そんな余裕はなし。

 

そして、いよいよ陣痛がじんじん続くようになったのようで、さらに分娩室にいどう。もうなぜ最初からこの部屋に移動しなかったのかが不思議というか、勘弁してくださいって感じでした。

 

 

そしてその時は来たのです。

本格的に出産がはじまり、妻もよくわからないままいきむことになりました。

医者の掛け声と同時にいきむと言う動作を繰り返します。

 

もうこの時の私は妻の顔の隣にいて、どうしたらいいのかわからず、とにかく励ますことと、汗を拭くことぐらしかできません。この時も写真なんてものは余裕はなし。

病院についてからだいたい30分くらいたったのがこの時で、まさにピークのようでした。

 

そして、お医者様は看護婦さん二人に命じます。

「両脇に立ってお腹を押せ」と。

 

これには私もかなり動揺しました。なんとベッドの両脇から、腕を妻のおなかの上の方から、赤ちゃんを押し出すようにグイグイやっています。しかも結構大きなからだの看護婦さん。太っているおばちゃんと太っている30代の看護婦さんの全体重を乗せた腕がグイグイやっている。

それでもなかなか出てこないから、先生ブチきれて「もっとちゃんと押せ!」という。

その間に先生は子宮付近に注射をブスリ。これなんの注射なんでしょうか。

 

これはさすがに心配しました。無知って怖いというか、もう神様におねがいする勢いです。

何度かやっているうちに赤ちゃんの頭が出てきたようで、先生が頭が出てきているから頑張れを言います。

この時の妻はなんだかちょっとつかれたのか、目がもうろうとしていて心配しました。

 

しかし、あまりにお腹にガンガン乗るから、いよいよ妻ももう子宮じゃなくて、お腹が痛いと言ってくれと私に叫びます。

私が医者にそういうと、一時やめて今度は先生が一人でお腹を押さえに掛かります。

するとやはり産婦人科の先生。看護婦さんが子宮のほうを見ていると、赤ちゃんの頭がドンッっとでたようで、バタバタしてきました。

 

そしていよいよ感動の瞬間!

うまれた!!!!!男の子!!!!

 

あれでも泣かないな。なんでだ。と、疑問を抱きつつも生まれたすぐを写真に治め、赤ちゃんは違う部屋へ連れて行かれ、妻は出産後の処置をされていました。

産まれたあの感動はもう今までの不安やら心配やらなにもかもがふっとんで、あぁ神様ありがとうございますと言う気持ち。

妻もようやくほっとして、かなりの脱力でした。

 

その感動の中先生は処置をしていましたが、

処置中に先生がわたしをよんで、これ見てって。

うわー裂けてます。なんだか紙が破れるみたいにギザギザに裂けてます。

それを先生がハリで縫って、私に言った言葉。

「これで女の子に戻ったよ。」

とっさに出た言葉は、

「ありがとう。」

なんだこの会話は。

 

 

とにかく、ありがたいことに病院についてから1時間で赤ちゃんは出てきてくれました。

 

ありがとう。